5月1日(土)
/ pm 12:30 「なー、4日って何の日だっけ?」 ごはんも食べ終わり、他愛も無い話をしながらまどろんでいる中、岳人が唐突に切り出した。 休憩はだいたいいつも3年レギュラーは一箇所に集まっている。 いうまでもなく滝のいるところに。 彼ら(跡部をのぞく)は皆だいたい滝のまわりに集まりたがるし、他よりは気兼ねなく近づけるので、それが日常化していた。 (ちなみに跡部は常にお気に入りの後輩といる) で、そのいつものメンバーはよほど暇だったのか、普段は無視する岳人の問いに乗ってきた。 まず、相方忍足が妙な顔でちっちっちと人差し指を揺らしてみせる。 「ホンマあほやなぁがっくんは。4日っていったらあれしかないやろ」 「その顔キモイぜ侑士」 「・・・それはまぁええわ。4日っていったらな、ラムネの日やで!それが飲むほうか菓子のほうかは聞かんといてや。さすがの俺でもそこまでは調査不足・・・」 「萩之介、知ってる?」 忍足のマニアックなトリビアは軽く無視され、岳人は隣でジローに膝枕をしている滝に聞いた。 滝は柔らかいジローのくるくるの髪を優しく撫でながら、んーと少し考えて。 「え、あれ?何だっけ・・・うわっど忘れ。ジロー知ってる?」 「・・・・・・・・ん〜・・・・・・ぐぅ・・」 滝の問いかけに少し身じろぐものの、気持ちよくて寝心地抜群の膝枕中なジローが答えられるわけがない。 おまけに相変わらず髪を撫でる手のひらはそのままで、ジローはまた夢の世界におちていった。 ちょっと前までそこは自分の場所だったのに、と岳人は思う。 そう思うと急に腹立たしくなり、ぎゅっとジローの鼻をつまんでやった。 「おいジロー、人の質問に答えない奴は萩之介に嫌われるぜ?」 「っ答える・・・・!!!」 嫌われる、の言葉に反応したのか、ジローが勢いよく飛び起きた。 勢い余ったらしくそのまま運悪くガツンと忍足と頭をぶつけてしまったが。 ジローの頭を撫でてあげながら(忍足は放置)、大爆笑する岳人を滝はしょうがなさそうに嗜める。 「岳人、」 「だーってジローが悪いんじゃんっ。それよりも4日!ジロー、4日って何の日か知ってっか?」 「う〜・・・知らない〜・・・」 涙目のジローは滝に抱きついた体勢でくぐもった声で答える。 結局疑問は振り出しにもどり、しばらくまたうーんと岳人と滝は首をひねった。 「3日は憲法記念日でしょ?5日は子供の日だし・・・」 「国民の休日だろ?」 それまで、4人のやりとりを傍観していた宍戸がぽつりと呟いた。 「「・・・あー・・・・」」 ぽんっと合点がいったとばかりに2人同時に両手をうつ。 祝日と祝日が一日挟んである日なんて滅多にないため、印象が薄かったのだ。 「でもあれだよな。国民の休日とかいって、俺ら全然休みじゃねーし」 宍戸の愚痴に滝もうんうんと相槌をうつ。 「毎日部活だよねー。跡部にダメもとで休みくれって頼んでみる?」 「お前の色仕掛けなら跡部も一発で落ちるんじゃね?」 「亮・・っ!」 冗談だって、と笑って、宍戸は頬を膨らませる滝のおでこを軽く小突く。 それをむぅ〜と見ていたジローは、がばっと二人の間に割って入った。 「滝に絶対そんなことさせねーし!ってか部活ないし。休みだし」 「 「 「 「 「 は ・ ・ ・ ・ ・ ? 」 」 」 」 」 ジローの声が聞こえた範囲の部員全員がそれにツッこんだ。 のほほんと笑っているのはジローだけで、滝でさえビックリした顔で固まっている。 「滝その顔かわE〜」 「・・・じゃなくて!それホント?跡部がそう言ったの?」 「ううん、監督。明日から旅行だから5日まで部活なしだって〜」 何故、あの43は一番伝達能力がないと思われるジローなんかに言ったのか。 でも今はそんなことはどうでもいい。 折角の連休が部活でつぶれると思っていた遊びたい盛りの中学生は、思わぬ朗報に喜んだ。 「いやでも、みんな知らへんかったら普通に部活やったな。危なかったわ〜、宍戸が滝といちゃこいてくれてホンマ助かったわ〜」 「ふざけた事いってんなよ・・・ったく」 アホらしい、とか言いながら実は頬が少し赤かったりするのだが、丁度休憩の時間が終わったのをいいことに宍戸はさっさとコートに入っていった。 流れで、その後にみんなも続き、すでにコートに来ていた跡部に滝は聞く。 「跡部は知ってたの?今日以降、部活ないって」 「アーン?あー・・そういや言ってなかったか?樺地」 「ウス」 隣からこそっと、跡部あしたから樺地と旅行だってとジローが教えてくれる。 どうやらあの跡部もゴールデンウィークに浮かれてるようで、滝はふふっと笑った。 「俺たちもいっぱい遊ぼーね、滝♪」 「そうだねー」 そしてまた、それを敏感に聞きつけた岳人とジローの言い合いが始まった。 さて、ゴールデンウィークは何をして遊ぼうか。 |