シュプレヒコールB






〜楊太の反乱〜




というか楊ぜんの反乱。

そして楊ぜんも考えた。
どうして自分がいつもいつもこんな役回りをしなくてはいけないのか。

「というわけで聞いてください皆さんーー!!!」

太公望が去った後しばらく固まったままの楊ぜんはつらつらと今までの事を思い起こしていた。
そしてハッと我に返り何かがキレたかのようにマイクに向かって訴えだした。
嫌いと言われたのが引き金で今まで我慢してきた事が爆発したのだろう。

オオォオーー!!という歓声がまた湧き起こる。
なかにはキャー!!!という甲高い悲鳴にも似た女性の歓喜の声もまじっていた。

滅多にない天才道士様の演説に民衆のあいだに盛り上がりが増し
間近でみるその秀麗な姿に女性達はため息を漏らす。

「師叔は仕事仕事だと言いますけどそれなら僕のほうがよっぽど酷いんですよ!?
サボる師叔をさがして師叔のぶんの溜まった仕事を片づけて、酷い時には1週間徹夜です!!!」

「オオオオオオォーーーー!!!!!」

「ちょっっと!楊ぜんさん、あなたもですか!?私は聞いていませんよ!?」

「言ってませんからね」

ふっと薄く微笑んで横目で怒りの周公旦を見やるその姿はまさに美形(笑)
楊ぜんのフェロモンに惑わされた女性と一部の男性はまたもや周公旦を責め立てる。

「・・・・・・・・・・・もう勝手にしてください」

民衆の非難の言葉についに折れた周公旦はよろよろとその場を去っていった。
しかし。そんなことはお構いなしに楊ぜんの主張は続いている。

「そりゃ師叔は大事な計画を背負って、誰よりも辛い思いをしてますよ!
仕事だって一番多く処理しているのは結局師叔ですし・・・。僕はただそんなあの人を支えたくて」

「オオオオオォーーーーー!!!!」

「僕だって一応男ですし?猫ミミやうさミミつけた姿を見たら手を出したくもなります!!
いつもは拒まれてばかりで、薬つかってでも一度くらい乱れて欲しい時ってあるじゃないですか!?」

「オオオオオオオオオオオォォォーーーーーー!!!」

悲しいくらい特に大きく反応したのは男達。
太公望の乱れたあんな姿やこんな姿を想像したのか鼻血とともに人がばたばた倒れていく。
そんな妄想を楊ぜんに悟られでもしたら確実に血祭りにされてしまうのだろうが。

「あの時の師叔は可愛かったなぁ・・・。薬のせいで頬がピンクに染まってて涙目で見上げてきて。
あの人は恥ずかしがり屋だから自分からはしてって言えないんですよ。そこがまた可愛くて・・・ってアイタッ!」

主張というよりノロケになってきた楊ぜんの言葉を遮ったのはあらぬ方向から飛んできたマイク。
またも頭に大ヒットしたそれが飛んできた方向をその場の全員が振り向き見る。

「師叔!」

「このアホ楊ぜん!!なんちゅーことを人前でいっておるのだ!!?恥ずかしいではないかバカ者ーー!!!」

「酷いですよ。僕はただ日々思っていたことを言ったまでです」

「それがいかんのだ!今すぐやめよ!!」

「・・・・・ところで師叔。ずいぶんと可愛くなっちゃいましたね・・・」

楽しそうに微笑みながら太公望に近づいていく楊ぜんに民衆達は道を空ける。
太公望は後ずさりしてなんとか捕まらないように頑張るが結局徒労に終わるのだろう。

太公望の今の姿。
なにがどうなってそうなったかは容易に想像できるくらいお約束な展開に微笑みながら
楊ぜんは改めてじっくり太公望を見つめ直した。
もともと小さかった背がさらに縮まり、その小さな頭からは可愛らしく猫ミミがはえている。
ぶかぶかな服を引きずり、手には一口かじられた桃が持たれていた。

「雲中子様か太乙様かどちらが原因かしりませんけど、あなた何度同じ手に引っかかったら気が済むんです?」

「う・・うるさいっ。桃があったら食う、それが自然ではないか」

「それは師叔だけでしょう。・・・・まったく、ほらっ」

「わぁっ!」

壁ぎわに追いつめられたところでひょいっと簡単に抱き上げられ太公望は慌てる。
腕の中でもがく人をものともせず楊ぜんはぎゅうっと小さい身体を抱きしめた。

「ぐぇ・・く、くるしい楊ぜん!離せっ!大嫌いだといったはずじゃ!」

「本気ですか?師叔」

「わしの半径3メートル以内に近づくでない!!!」

「・・・・・・わかりました。あなたに嫌われてしまったらもう僕に生きてる意味なんてない」

え?と思う間もなく楊ぜんはその場から踵を返し、呼び止める太公望に振り返りもせず去っていく。
意味深な言葉に民衆も、さすがの太公望も焦る。

「楊ぜん!!」

ててててっと服を引きずりながらも必死に楊ぜんを追いかけて、ようやく太公望は小さな手で肩布を掴まえた。
けれど楊ぜんはまだ振り向かない。

「のう、楊ぜん・・・その・・・・わしが言い過ぎた。嫌いというのは・・・うそじゃから・・・」

不安げに見上げながら、掴んだ布をぎゅっと握る。次の瞬間その手を引っ張られ太公望はバランスを崩した。

「掴まえた♪」

バランスを崩し倒れ込んだ先は楊ぜんの腕の中。
見上げればいつもの笑顔があり太公望は驚きつつ、楊ぜんを怒鳴りつけた。

「お、お主騙したな!?」

「騙してなんていませんよ。実際深く傷ついてるんですから・・・・あなたに嫌いと言われるのは辛いですからね」

「・・・・・すまぬ・・・」

苦しげな笑顔でそう言う楊ぜんに太公望も大人しくなり、ぽてっと身体を素直に預けた。

「あれ?師叔、半径3メートル以内に近づいちゃダメなんじゃないんですか?」

「・・・・・・・・・・わしからは良いのだっ/////」

きゅうっと抱きついてくる太公望に優しく腕をまわし微笑みながら抱きしめかえす。

すっかり仲直りして二人の世界をつくってらっしゃるお二人。
なんだかアウトオブ眼中という感じの民衆だが、それでも一応オオオオオオオォーー!!と叫んでいる。

「あのな、楊ぜん。どうしてわしがデモなんか起こしたか分かるか?」

「安らかな生活がしたいから、でしょう?」

「それはそうだが・・・。わ、わしはだな・・・・・」

そこで言いにくそうに口ごもる太公望を楊ぜんは視線で促してやると
きゅうっと抱きしめられる力が更に込められ、腕の中でもごもごと嬉しい言葉が聞こえた。

「フツーに・・ごく普通にこうして抱き合ったりして、お主とゆっくり過ごしたいのだ。
わしの本来の姿で二人きりで。だから・・・軍師失格かもしれぬがもうちょっと休みが欲しいのだ」

「師叔!!あぁ、あなたがそんな風に思っていてくださったなんてっ!
わかりました。そういうことなら僕も協力しますっ。今度は直に周公旦に抗議に行きましょう!!」

「ほんとか楊ぜん!?やはりお主は頼りになるのう!」

「あなたのためですから!」

「楊ぜん!」

「師叔!」

オオオオオオオオォォォオーーーーー!!!

ひしっと再度抱きしめあう楊ぜん&太公望。
なにがなんだか民衆もそんな二人に同調しこの空間は一つになった。




楊ぜんの反乱はまだ始まったばかり!




そして楊太の反乱は始まった!!







つづく☆


 

 

途中で自分が何書いてるのか分からなくなりました・・・(死)
勢いだけで成り立ってるような話だなぁ・・・おい。<それでいいのか
バカップル楊太の反乱はまだまだこれから。はじまったばかり!!
(次で終わるんだけどね.笑)

 

シュプレヒコールB song by BRUEF & TRUNKS

 

 

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