今日は人生において足りないモノの話をしよう。 ビタミンとミネラル。 夏の午後。暑い空気の執務室にはもう慣れてしまった。 中庭では蝉玉くんと土公孫のおいかけっこが繰り広げられているが、室内はシンッとして。 僕たちはいつものように仕事の真っ最中。 窓を開け太乙様特製の扇風機を持ち込んだおかげで、いくらか涼しい風が肌を撫でる。 そしていつものように飽きることなく、正面で珍しく執務に励んでいる師叔を盗み見ていた。 「のう楊ぜん、この件なのだが・・・・」 たまにされる質問に答えてはまた師叔を見つめる。 「師叔、唇ちょっとみせてください」 声に反応し師叔が顔を上げるのより早く、小さな顎をくいっと持ち上げる。 「ねえ師叔。仕事はやめて、今日は人生において足りないモノの話をしましょうか」 しばらく不信そうにこちらを見ていた師叔だったが、笑顔を崩さない僕に諦めたよう。 「・・・・・・愛?」 思ってもみなかった答えに思わず笑うと、師叔が真っ赤な顔で拗ねてしまった。 「わ・・わしだって愛とかちゃんとわかっておるのだっ。見かけはこんなだが子供ではない!」 まぁ身体は子供じゃないな、なんて思いながら再び師叔の唇をつつく。 「ビタミン不足ですよ。好き嫌いしないでちゃんと野菜も食べなきゃ駄目っていったでしょう?桃ばっかり食べて・・・」 「僕がビタミンなら、師叔はミネラルですね」 納得いかないように、こくっと首を傾げた師叔の髪が風に揺れる。 |
チャコフィルラジオ「カリスマファイト」の合間に流れるラジオCMネタ。
もとになったCMが面白いんですよ。↓
「今日は人生において足りないモノの話をしよう」
「・・・・愛?」
「いや、栄養だ。僕がビタミンなら君はミネラルだ」
「どういうこと・・・・?」
「わからない。」
このCM大好きです・・・・(笑)