シュプレヒコールC






〜楊太の反乱〜




ついに始まった楊太の反乱!

お互いの気持ちを確かめ合った楊ぜんと太公望はさっそく周の宰相のもとに訪れていた。
しかもぞろぞろと先程ココロを一つにした民衆達を引き連れて。

軍師様とその右腕が反乱を起こしたらしいという噂を聞きつけた
女官や文官、果ては道士達までもが「こりゃ面白そうだ」と執務室に集まっている。
その中心で対峙している2:1。楊太:周公旦。
しばらくお互い睨み合い、沈黙が続いていたが。
最初にそれを破ったのは太公望だった。

「旦!頼む、1週間休みくれ!!」

両手を頭の上でパンッと合わせ思い切って懇願する。
楊ぜんもその隣で軽く頭を下げていた。

そして一瞬の静寂の後。

「却下。」

「なぜじゃぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

「す、師叔!落ち着いて!」

ギャラリーのやっぱりな・・そりゃそうだ・・なんていう言葉は聞こえないフリをして
太公望は周公旦に喰ってかかろうとするが寸でのところで楊ぜんに止められる。

「離せ楊ぜん!離すのだぁぁ〜〜!!!」

「落ち着いてください師叔。ここは僕に任せて?」

太公望を自分の方に向かせ顔を寄せてにっこり微笑む楊ぜんに
太公望はピタリと暴れるのをやめて・・・・こくんと頷く。
はぁぁ・・・と重いため息なんて漏らしている周公旦に楊ぜんは得意の天才スマイルで歩み寄る。

「今は急ぎの書簡も僕らが目を通さなければならない仕事も無いはずですよ?
最近はずっと僕も師叔も働きづめでしたし、1週間くらい休暇を頂きたいんです」

「し・・しかしですね。軍師が抜けて、その補佐まで仕事から抜けてしまうのは困ります。
どちらか一人か、もしくは交互に・・・ということなら許可しますが・・・」

美人の男のスマイルにさすがの周公旦も一歩退く。
しかし二人の要求をそう簡単に認めるわけにもいかず、絶対に可とは言わない。
実際二人同時に抜けられてしまったら困るのだ。
あえて妥協策を提案してみるが、それはきっぱり天才道士に却下された。

「それじゃ意味ナイんですよ。せっかく師叔がデモ演説まで行って僕と一緒にゆっくりしたいと
言ってくださったのに・・・どうしてもダメだと言うのなら僕たちにも考えがあります」

「考えとはなんだ・・?」

それまで大人しく楊ぜんの傍で話を聞いていた太公望だが
「僕たちにも考えが・・」に反応して上を見上げて楊ぜんに問いかける。

上目遣いの瞳に微笑み、次に怪訝な表情を浮かべる目の前の宰相に薄く微笑み

「ストライキ。休み貰えるまで仕事しません」

オオオオオオオォォォォーーーーー!!!!

楊ぜんの発言にギャラリーは沸き、盛り上がる。

呼び止める周公旦には完全無視を決め込み楊ぜんは太公望を連れてさっさと執務室を後にした。
残された人々はココロから周公旦を気の毒に思ったという・・・。





「よ、よかったのかのぅあんなこと言って・・・」

「いいんですよ。それとも師叔は僕と一緒にいたくないんですか?」

心配そうに顔を覗き込んでくる楊ぜんに太公望は慌ててその胸にぎゅっとしがみつく。

「い・・・・いたいから・・・・反乱など起こしておるのだ」

「・・・・・・師叔かわいい」

くすっと微笑み楊ぜんは腕の中にすっぽりと収まってしまう小さな身体を愛しそうに包み込む。
きゅっと抱き寄せて頭からちょんっとはえる猫ミミに唇を寄せた。
くすぐったように太公望が身を捩るたびふわふわの猫シッポがゆらゆら揺れる。

「師叔をこんな姿にした雲中子様か・・太乙様か・・・どちらでもいいですけどシめてやらなくてはいけませんね。
・・・・僕の師叔に変な薬つかったりして・・・でも僕としてはこの姿は嬉しいのですけどv」

「だあほぉ・・・・/////」

小さく丸まって楊ぜんの胸に顔をうずめてしまった可愛い恋人。
両想いって素晴らしいなぁ・・・とかわけわからない事にまで感動し出した楊ぜんだったが
その思考は突然の来訪者によって遮断された。

「望ちゃん久しぶり〜。楊ぜん君も」

「えっ?ふ、普賢??」

「普賢様・・?」

「遊びにきたらなんか騒ぎがおこってるから、望ちゃんを探してたんだけど・・・僕お邪魔だったね」

ふふっと面白そうに微笑む幼なじみに、ハッと今の状態を思い出す。

「え!いいいいや、そんなことはないぞっ普賢!」

太公望は未だひっついたままだった身体を慌てて離す。
楊ぜんはそんな行動に少々不服そうに顔を顰めた。
そんな二人を普賢は微笑ましく見つめてから太公望に問いかける。

「で、なにかあったの?君たちがこんなのんびりしてるくらいだから深刻なことじゃなさそうだけど・・」

「あのなっ、普賢・・・・実は・・・これはかくかくしかじかで」

                 間。



「望ちゃん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それはやめたほうがいいよ」




事情を説明した後、普賢は一番にそう言った。
でも・・・!!と言い募ろうとする二人を遮って独特の微笑みで言葉を続ける。

「望ちゃんは軍師様なんだよ?ストライキなんか起こしたら皆に示しがつかないじゃない」

「しかし師叔は・・・!」

反論する楊ぜんの言葉を聞きながら普賢は太公望に近づいていく。
そしてその耳元で太公望にだけしか聞こえないようそっと囁いた。

「それに安らかな生活って・・・望ちゃんはさっきそうじゃなかった?
楊ぜん君に抱きしめられて、傍にいるだけでも安らげるんじゃないかな」

「・・・あ・・」

「大事な仕事に就いてる以上ちょっとくらいは妥協しなきゃ」

ね?とニコニコと変わらぬ笑みで返事を促す親友の両手を太公望はがしっと掴み
感極まったような瞳で勢い良く見上げる。

「すまんっっっ!わしが間違っておったようじゃ・・・・幸せとはそういうものじゃな・・・・」

「分かり合えるって素晴らしいことだよね」

ねーvなんてやって納得しあってる二人を余所に、一人訳が分からない楊ぜん。

「あの師叔・・・?ストライキは・・・」

「楊ぜん!手伝ってもらってアレだがストライキは取りやめじゃっ。
皆に迷惑がかかるし・・・・それに、仕事もお主とやれば楽しいものだ」

「師叔・・・・」

「猫ミミとかうさミミとかはもう望ちゃんの運命だと思って諦めるしかないね」

「ううぅ・・・;」

そこはどうも納得いかないといったように眉を寄せる姿に微笑んで
普賢は太公望の小さな手を引く。

「それより望ちゃん、今日はヒマなんでしょ?僕のところでお茶しない?桃もあるんだよ」

「桃!!行く行くvvv」

「ちょっと師叔っ!?」

話についていけない楊ぜんは普賢に手をひかれる太公望を引き留めようとするが
桃と聞いた太公望にそんな声が聞こえているはずもなく。
普賢は太公望を先に黄巾力士のところに行かせ、ひとり取り残されていた楊ぜんの前まできて微笑む。

「楊ぜんくんもおいでよ。望ちゃんもそのほうが嬉しいだろうし・・・。
僕は途中で抜けるからそのあとは二人の好きなようにしてかまわないよ」

「・・・・・有り難うございます!!普賢様」

深々と頭を下げお礼を言い、楊ぜんは早くこいーっと言ってる可愛い恋人のもとへ急いだ。

一週間の休みより今の楽しみを優先する楊太。
楊太の反乱は仙界の天使の力によってその幕を閉じたのだった。




その後二人が周公旦の必殺ハリセンの洗礼を受けたのは言うまでもない事☆









完!

 

 

というわけで。
やっと終わりました。ブリトラ強化月間。
謎な終わりで申し訳ないです・・。深夜3時の私の頭で考えた話なだけあります(死)
今までこんな謎企画にお付き合いしてくれた皆さま。本当に有り難うございました〜!!!

 

シュプレヒコールC song by BRUEF & TRUNKS

 

 

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