昔の話をしましょう―――











  とても可哀相な国の――――



  






  ――――償いの果てに――――[中篇1]




    


    








 あれ以来望は、毎日のように楊ゼンの元へ行っていは、色々な話しをした。
望は楊ゼンの話しが大好きだった、ずっと国から出ない望にとっては、外の世界はまるで神秘のようだったから。
そして、城に帰ってからはずっと楊ゼンのことだけを考えていた……。早く明日にならないか、と…。








 望はいつものように楊ゼンの家で話していた。
「楊ゼン。今日はどんな話をしてくれるのだ?」
と、目を輝かせながらいった。
楊ゼンはそんな望に優しく微笑みそして言った。
「そうですねぇ、でわ、今日はちょっといつもとは違う話をしましょうか。」
「違う話…?」
 望は少し考えた、いつも楊ゼンが話してくれることは、遠く離れた森や景色、動物や植物の話、
どんなことか少しワクワクした。
「うむ!どんな話しじゃ?楊ゼンが話してくれることは全て面白くて良いものだから、なんでも聞くぞ!!」
 と、笑顔でいった。
楊ゼンはそれをみて、笑いながら、
「そうですか、有難う御座います。今日話す事は今から昔のことです。ある一つの国の事…。」
 と、話始めた。
望は静に聞いた。
 
昔、此処から結構離れた場所に一つの国がありました。
そして、やはりその国にも王がいました。しかし、その国の王は、
とても勝手で、自分を中心に政治などを進めていました…民の意見も聞かずに…。
そんな人が王になっている所為で、その国は貧富の差が激しかったのです。
毎日のように民は死んでゆく。
それなのに、王はさして気にもしてませんでした。
王は、己の名誉さえ守れれば、あとはどうでも良かったのです。
王には、一人の妃がいました、王と違ってとても優しい方でした。そしてとても幼い息子もいました。
妃は、王に黙って民に少しからず、金や食料を分け与えていたのです。しかし……

「?楊ゼン?どうしたのだ?」
急に話を止めた楊ゼンを不思議に思い望は話し掛けた。
「あっ。スミマセン;何でもないですよ。」
 と、心配する望に優しく言った。
望は少し安心した。
「そっか、それで…どうなったのだ?その妃は…」
と続きが気になるのか、望は言った。
「あぁ.スミマセン、では続きを話しますね。」

ある日、妃が民に食料等を分け与えている事が王にばれたのです…。
王は、自分に従わない妃に、罰を与えました。しかし、妃は王のしている事は間違っていると、
言い続けました。王はそんな妃に腹を立て、そして……処刑にしました……。
しかし、妃は死ぬ間際まで王を攻めつづけていました。
たった一人の息子も殺されそうになりましたが、まだ物心つきたての子だった故見逃したそうです…。

「さて、望様今日はこの辺にしておきましょうか。」
 楊ゼンは急に話を止め望にそう言った。
望は
「ム〜、これからいいとこでわないか;…しかし、そんな国が、あったとは…許せない。」
半泣きになりながら言った。
楊ゼンはそんな望を見てこの人は本当に優しい人だ、と思いました。
「望様、また続きを話しますから、今日はもう日も落ちてしまいます。城へお帰りください」
 と、優しく、微笑みながら言った。
「うむ、しかし楊ゼン、お主何故そんなにも詳しいのじゃ?」
 望は首をかしげながら言った。
楊ゼンは、
「それはですね、長い間その国にいたからですよ。お妃さまは本当に、優しい方でした。貧しい人達に、優しく接して
 くださった……だからですよ」
と、ゆっくり、そして悲しそうに言った。
「そうか、すまない、思い出させてしまって…」
望は少し落ち込んでしまった。
楊ゼンは少し慌てた様子で、
「そんな、望様は悪くないですよ。お気になさらないで下さい。」
 と、いった。
「でわ、今日は帰るか、楊ゼン有難う」
「そんな。滅相も御座いません。こちらこそ、こんな話をしてしまいスミマセンでした。」
 と楊ゼンは頭を下げた。
「そんなことないぞ、そのお妃さまはとても可哀相であったが………続き、また聞かせてくれ」
と望はゆっくり淋しそうに話した。楊ゼンは
「望様が宜しければ何でも、それでは、そこまでお送りします。」
 微笑んで言った。
そして、二人は別れた。






望は城に帰り、いつものように、王である元始天尊の愚痴を聞かされた。
そして夜…
「今日の話は,少し暗かったな。あんなに厳しい国があったとは、知らなかった…。」
 自分の国しか守れない無力に等しい己が腹立たしい……
とそう呟いていた、
「そういえば、今日の楊ゼンの様子も変であったな…大丈夫であろうか、やはり辛いのだろう、
 国の事を思い出すことが…」
 望はそう思うと胸が苦しかった。
そして思う…
(あぁ、やはりわしは楊ゼンの事が好きなのだ)
 と…。
















                            
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閨呂 廠サマより頂きました。

貧乏人×お姫様第二弾v
師叔はやっぱり楊ぜんに恋してしまいましたね。
貧乏なんてことは欠片も気にしないようで。
城に帰っても楊ぜんのことだけを考えてる
なんて凄く可愛いですーvv
昔話をして途中で話につまる楊ぜん・・・
その話はもしや・・・?

続きはNEXTをくりっく。