メガネの憂鬱。 そろそろお昼時。 師叔に何が食べたいですか、と聞いたらラーメンと言われた。 わざわざ食べに出かけるのも何だし。 市販のヤツで作るとしますか。 確か師叔の好みは、麺は硬め。 「・・っわ」 一瞬目の前が真っ白になった。 かなり目の前が曇っていたが、面倒くさいのでそのまま。 ちょうどいいところに、匂いにつられた師叔が台所にやって来た。 「ん〜匂いはいいが、何か安っぽいラーメンだのう」 「市販ので作ってますからしょうがないですよ。嫌なら食べなくて結構ですが?」 「食べる」 冗談まじりにそんなこと言いながら、2人で席につく。 師叔は、安っぽいとか、何かと文句言うわりにはいつもおいしそうに食べてくれる。 「おいしいですか?」 「まあまあ」 んー可愛い。 「キスしたいなぁ」 「アホなこと言っとらんと早く食え」 本気で言ってるんですけどネ。 文句ばっかり言うあなたの口。 僕を呼んだり。キスをする。 あなたの唇。 「お主・・・何をにやけておる」 「いえ、別に・・・」 いまだに師叔の顔(というか唇)をぼーっと眺め、ラーメンに手をつけていない僕を変に思ったのだろう。 師叔が不審な顔してこっちを見てる。 「・・ぅわ」 再び目の前ホワイトアウト。 麺を箸で上げた時に、湯気がふわっと立ち上ったのだ。 「ぷっ・・・ハハハハハ!お、お主面白いコトになっておるのう!」 ムッ。 僕の姿に笑い転げてる師叔。 なんか、ちょっと意地悪したいんですけど。 曇りがとれかけてたメガネを、もう一度故意に曇らせて。 「んー・・!?」 見えないのをいいことに、僕は師叔に近づいて深い深いキスをした。 うん。キスをするときの唇が、やっぱり僕は一番好き。 キスが終わっても、熱い吐息のせいでメガネはいまだ曇っていて。 「だって、・・・・・・・・・感じたし?」 |
メガネって結構長い時間くもってたりするのですよ。
というかこの人達ラーメンはどうしたって感じです(笑)