ちょっとの、幸せ

ラフ・ラフ

当り前のようにある暖かさが心地よいから目を覚ましたくないのだ。

だけど…今日は。
少しだけ、早く目をひらいてみる。
ぱちっと目をあけて一番にとびこんできたのは恋人の秀麗な寝顔。
ドキドキドキドキ…。
こんなに間近でみたのは初めてで勝手に早くなっていく鼓動はどうしたって止められない。
いつもは楊ぜんのが早く起きててわしが寝顔をみられているけれど。

優しくそえられていた腕をといてちょっとだけ離れる。
そうしなければ心臓がどきどきとうるさいし、くっついていてはまた眠くなってしまうから。
今日はわしが楊ぜんの寝顔をたっぷり眺めてやろうv
おぉv睫毛ながいのぅ…。
鼻すじもとおってて…かたちの良い唇じゃ。

顔にかかった蒼髪をはらってやりさらさらと梳いては、落として。

「キレイじゃのぅ……」

まるで本当の水が流れているみたい。
感触が愛しくて、ずっと触れていたくて、そのまま何度も綺麗な髪に指をとおす。

「フフ…寝たまま笑いおって。良い夢でもみておるのかのぅ」

気持ち良さそうに口元を緩ませる楊ぜんはなんだか可愛い。
楊ぜんのこんな顔がみれるなんてなんだか嬉しいのぅ。
よし!ちょっとさーびすじゃ。
ちゅっちゅ、と音をたてていたるところにキスを贈る。
口は……起きたらこやつがするからいいか。
にしても、楊ぜんはいつもわしのこういう寝顔をみておるのか…?
ぬぅ……恥ずかしい。

離れようと身体をずらすのを寝ぼけた楊ぜんに邪魔されて
いとも簡単に腕の中に閉じこめられる。
「ちょっ!やめぬか!」
わしはもう少しお主の寝顔を楽しみたいのに。これでは見えぬ!!
無駄だとわかっていても一応抵抗してみせるが。
……やっぱり無駄だった。
ぎゅうーっと抱きしめられてしまえばもう何も出来なくなる。

耳元で楊ぜんの心臓のおとがリズムをきざむ。
それだけで安心してしまって、身体の力がぬけて……。
何故お主でなければダメなのだろうな。

「楊ぜん………」

寝顔も、抱きしめられるのもいいけれどそろそろ声も聞きたくなる。
早く名前を呼んで欲しい。
それだけで幸せだ。

「よ…ぜん……」

だけど楊ぜんはなかなか起きないからきゅっと鼻をつまんでやった。
「ん……スース…?」
「ダァホ…やっと起きたか」
不機嫌そうに言ってやったつもりがちょっと失敗。知らないうちに顔がにやけてしまっていた。
クスッと楊ぜんが微笑んで、頬を優しく包み込まれる。
うむ。このおおきな手のひらも嫌いではないのぅ。

いつもは立場が逆だけど
こんな朝もたまにはいいか。

「おはようございます、スース」

「おはよう、楊ぜん」

早起きもわるくない

なんか朝から得した気分だ


*Endless*

 

ラフ・ラフ太バージョンです。
これも2000hit(仮)として梅子様へ捧げました。
このね・・・・なにもなくてただただ普通に過ぎていく日常がホントは一番幸せなのかな〜
と思って書いたのかどうなのかよく覚えてないのはどうしてなのか(知るか)
ふわふわした2人の朝が書きたかっただけですー(脱兎)

 

+ 楊バージョン +