どーして恋心とは離れて気づくものなのだろう。
離れからじゃ遅いのに。
でも会いたい・・・。
あなたは僕が僕である唯一の証拠だから。

―愛してるから・・・。



大切だから・・・。二人(楊ゼンと太公望のこと)



愛してるから会いたいんだ。
愛してるからこの胸に抱きしめたくなる。
ドコにいるんですか?スース。

「師叔!! 師叔!! 師叔!?ドコですか!?」

師叔、師叔、師叔、師叔!!

あっあれは!! 師叔!?
どーしてあんな所で座っているのだろう?

ポタッポタポタッ

泣いてる?どーして?
行かなきゃ行ってどーするんだろう?でも行きたい。
会いたい。抱きしめたい!!

「師叔!!」

サクッ
草の音が耳に聞こえた。
太公望は気配を感じて身体をびくつかせる。
ビクッ

「だ、誰だ?」
「太公望師叔。」
「楊・・・ゼン?」
「師叔。」

ぎゅっ

「会いたかった。」
「楊・・・ゼン・・・。」
「スース・・・。会いたかった、会いたかったです!!・・・師叔、僕はあなたが!!あなたが好きです!いつの間にか・・・愛していたんです。
 そばにいてください。そばにいさせてください。守らせてください!」
「なぜだ。なんでわしなんかを"好き"と言えるのだ!わしは始祖であり、お主の師と父を殺した仇だぞ!!うそだ!!そんな・・・そんな悪い冗談言うな!!」
「師叔・・・。冗談なんかじゃありません。僕は本当にあなたを愛してます。あなたがいないと僕は壊れてしまう。それにあなたは言いましたね。自分が始祖であり僕の仇であると。僕も・・・妖怪です。今まで結ばれることはないと思っていました。」
「なら、ならどーして!!」
「それでも、この愛しさを止めることはできないんです!!それに・・・いくら一つの身体に二つの魂が入っていようとあなたはあなた、王天君は王天君です。伏羲、いえ太公望師叔。僕はそんなあなたが好きなんです。信じてください。あなたは・・・あなたは、本当にそれでいいんですか?」

ぽろ・・ぽろぽろ

「よく・・・ない。よくない!!わしは楊ゼンが好き。愛してる!そばにいたい。そばにいてほしい。守って・・・ほしい!!っくひっくひくっふえ。でもそれは叶わぬ夢だ。わしとお主は生きる世界が違うから!!」
「スース・・・うれしいです。でもそんな悲しいことを言わないで。ずっとそばにいてあなたを守り続けるから。」
「でも、今のわしには居場所がない!!」
「あるじゃないですか。僕という居場所が。」
「え?」
「大丈夫。僕があなたの居場所になるから。」
太公望の顔はみるみる赤くなる。それでもまだ信じられなくて・・・

「でも、でもお主には仙人界が!!」
太公望はまた泣き出してしまった。
その涙を見て楊ゼンは困った顔をする。
「うーん。最大の障害ですねぇ・・・。」
「良いよ・・。無理をしなくても。では・・」
と言って太公望は楊ゼンから離れようとする。
それを感知した楊ゼンは太公望の小さな躯を抱きしめなおす。
「そうだ!! 師叔、1週間に一回、またここに・・・僕に会いに来てくれますか?毎週必ずここに姿を現して、あなたを待ってます。」

太公望の頬を流れていた涙は一瞬とまり、やっと言葉をかえしてくれた。
「本・・・当?いいのか?」
「あなたのためなら。」
と言って楊ゼンはやさしい笑顔を太公望に見せる。
太公望は楊ゼンの笑顔を見てから、止まっていた涙をまた流した。

ぽろ・・ぽろぽろ

「泣かないで下さい。僕はあなたの笑顔を見に来たのに・・」
「すま・・ぬ。いやな、うれしいのだ。またお主の腕の中にいることができるのが・・・。」
「師叔。僕のお願い、聞いていただけますね?」
「うむ。なん・・だ?」
「今、あなたの唇を貰っていいですか?」
「・・・」
真っ赤な太公望の顔はこれ以上ないくらいに真っ赤になった。

「・・うむ。」
と小さな返事を返した。
そして、楊ゼンを受け入れるように瞳を閉じた。
楊ゼンも許しを貰い、では遠慮なくと太公望の小さな唇にキスを送る。
「ん・・。」
と甘い声が漏れる
軽く触れるだけのキスからだんだんそれは、深いものに変わっていく。
そして名残惜しそうに合わせた唇を離す。
しばらく相手を瞳に写したら、見詰め合って微笑んだ。

今の二人を止めることは誰にもできない。
そうずっとそばにいると誓ったから。


今に生きよう。わしには・・こやつがいる。
きっと、いつでもそばに飛んできて、わしを抱きしめてくれる。
やさしく強い腕で。


―――本当にそれでいいのん?―――


あぁこやつと一緒なら。


ずっとそばにいて、あなたを守り続けると誓ったから。
僕はずっとあなたのそばに
あなたは僕のそばにいる。
守り続けるよ。ずっと・・・。
愛してるから。



―――――――――――大切だから―――――――――――





                            END                                        




―あとがきー
ハイ。やっと終わりました、「大切だから」!!
いや〜長かった長かったよ〜。
しかも、初めて書いたんです、シリアス。
でもシリアスになってません〜。(><)
だって苦手なんだもん(t)
許してくださいね?
そしてこんなものを送りつけてしまってごめんなさいー!!
そして誕生日おめでとうございますVv遅れてすみませんでした。(汗)

 

にゃご桜様より頂きましたv
めでたくハッピーエンドですね。楊太はこうでなくてはv
ちょっと戸惑う師叔にくらべて楊ぜんってば積極的で・・・v
今はまだ週一の通い婚(笑)ですけど
だましだまし会う回数を増やしていって
最終的には仙人界へお持ち帰り・・・v
なんて(笑)
でも今はまだ会えるだけで幸せなのですよね〜初々しいですvv

そう。これ誕生日に頂いたんですよね・・・
本当にアップが遅れてしまって申し訳ありません><。
素敵な小説を有り難う御座いましたv