++誕生日++
誕生日に何が欲しいですか・・・?
「う〜む・・・・」
太公望はそのカワイイ顔にしわを寄せてなにかを必死に考えていた。
腕を組み、太公望が使い慣れている業務用の机を前にして。
大きな軍をまとめる軍師の片腕。
仙人界では天才道士と有名な楊ぜん。
太公望と楊ぜんは軍師とその右腕という関係以上に恋人同士でもある。
そして今日は楊ぜんの誕生日なのだ。
楊ぜんが生まれた日というのは詳しくは分からないそうだが、始めて玉鼎真人が楊ぜんを預かった日。
本当の誕生日が分からないのでは悲しいだろうからと、玉鼎がその日を誕生日として毎年祝っていたのだそうだ。
その日が今日。
やはり、誕生日というのは特別だと思い、太公望も楊ぜんになにかあげようとは思うのだが・・・
何をあげていいかなどさっぱり分からない。
だからこうして慣れないコトを考えながら困っているというわけだ。
が、こうしていつまでも考えていてもしょうがない。
意を決した太公望は思いきって楊ぜん本人に聞いてみることにした。
幸い、この執務室には太公望と楊ぜんしかいない。
いつもいるはずの周公旦は武王を探しに行っているからだ。
「のう楊ぜん・・・・」
どう切り出していいかなんてわからなかったが、とりあえず自分のすぐ横にいる楊ぜんに話しかけた。
と、すぐに優しい声が帰ってくる。
太公望の大好きなとても優しい笑みを添えて。
「はい。なんですか・・・??」
丁寧にも、今目を落としている書類から顔を上げ太公望の方へと向いた。
少し恥じらいながらも太公望は聞いてみた。
「お、お主は今何が欲しい・・・??」
勘がいい楊ぜんはすぐに気が付いた。
今日は自分の誕生日だということ。
太公望と楊ぜんが恋人同士という仲になって初めての自分の誕生日。
何をあげていいかなんて、太公望には分からないのだろう。
正面きって、自分に聞いてくるとは。
何が欲しいって聞かれてもなぁ〜・・・。
少し考えた後、楊ぜんは満面の笑みを浮かべて答えた。
「・・・師叔。あなたが欲しいですvv」
「なっ////////」
突然の意表を突いた楊ぜんの答えに太公望は顔が真っ赤になった。
太公望が顔を真っ赤に染めて大きな目を見開いてる間にも、楊ぜんは一人でぶつぶつと言っている。
「こう、頭に大きなリボンをつけて、『はいv楊ぜんvv』 とか言ったりしてvv
あぁ〜v想像するだけでカワイイですよ〜v師叔vv」
完全に自分の世界に入っている。
そんな楊ぜんに圧倒されてはいけないと気を取り直し、太公望は体勢を整える。
「だぁ〜!!そんな冗談なんか言うのではない!!」
「そんなぁ〜冗談なんて言ってませんよ。僕はいつだってマジメですよvv」
そんなコトをさらっと言う楊ぜんもすごいと思う・・・。
が、太公望はもう付き合ってられないといわんばかりに言った。
「お主に聞いたわしがバカだったわ!!もう知らん!!」
怒ったわけではナイのだが・・・。
太公望は顔を真っ赤にしながら部屋を出ようとドアの方に向かって歩き出した。
と、楊ぜんが太公望の腕をつかみ、グイっとひっぱった。
「っわ!」
腕を引っ張られ体勢がくずれた太公望は楊ぜんの方へと倒れかけた。
そしてそのまま楊ぜんの胸の中へと。
太公望の小さい身体は楊ぜんの腕の中へとすっぽり入った。
太公望をぎゅっと抱きしめながら楊ぜんは言う。
「あなたが欲しいです・・・。あなたさえいれば、何もいりません・・・・。」
太公望の耳元で太公望だけにしか聞こえないくらい小さな声で。
そしてさっきよりももっと顔を赤らめて太公望は楊ぜんの胸へと顔を埋めた。
しかし、自分の細い腕を楊ぜんの背中にぎゅっと回して。
「でも・・・やっぱりなにか欲しいであろう??」
子供が親にお菓子をおねだりするようななんともカワイイ声で、楊ぜんに尋ねる。
あくまでカタチにこだわるようだ・・・。
そして楊ぜんは良いことを思いついた。
「それじゃあ・・・」
と言いながら太公望の顎に手を添え、太公望の唇を奪った。
とてもきれいな赤みがかった太公望の唇を。
「んっ・・・・」
突然のことで、驚いた太公望だったが抵抗したところでココは楊ぜんの腕の中。
抜けられるはずもないと、素直に受け入れた。
楊ぜんがゆっくりと顔を離して、にこっと笑った。
「確かに、あなたの唇頂きましたよ。」
むうっと、太公望はますます顔を赤くしたが、今日は楊ぜんの誕生日。
何をあげればいいか分からなくて、何も出来なかった。
それなら、楊ぜんが喜ぶことをしてあげたい。
いつも恥ずかしくてこんなことできないけど・・・。
今日は楊ぜんの誕生日。
やっぱり特別な日なのだ。
だから、今日ぐらいは・・・
そして真っ赤な顔を楊ぜんの方へと向け、
「誕生日おめでとう。」
自分の気持ちを詰め込んで。
大好きな大好きな楊ぜんにキスを送った。
fin.
桜珠ちゃんから頂いた誕生日プレゼントです☆
も〜vホント甘々です!師叔が可愛い!!
なんといっても「リボン付き師叔」が・・・・・・・v楊ぜんナイス(笑)
最高の誕生日になりました(>▽<)!
桜珠ちゃんv本当に有り難うございました〜!!