++ たんぽぽ



ちょっと低いハナだけが君の特徴で。



「えいっ」
「にゅ・・・!って何すんじゃい楊ぜん」
「んー師叔ってちょっとハナ低いなと思って」
「どうせお主のようにわしの顔は整っておらぬよ」
「えー・・・でも僕はおいといて標準よりもちょっと低めかと」
「・・・・・あっそ」


あら。怒っちゃったかな?


師叔は僕につつかれた自分のハナを押さえそっぽを向いてしまった。
僕がどんなに呼んでも振り返ってくれない。
というか身体ごと反転されて完全に背を向けられてしまった。
ハナのこと気にしてたのかな?


可愛いなぁ。


「すーす」
「・・・・・重っ」


ちっちゃな背中に覆い被さり少し体重をかけて抱き締める。
師叔はばたばたと抵抗していたがそれが無駄だと判断したらしい。
今は大人しく僕の腕の中にいてくれる。
師叔の柔らかい髪が肌をくすぐり思わず口もとがゆるんでしまう。


「ね。師叔ってたんぽぽみたい」
「は?」
「ふわふわの髪は綿毛みたいで、どんな環境でも必死に生きようとする生命力と健気さはたんぽぽそっくり。でも師叔の場合それは人の為なんですけどね」
「・・・・それはわしがしぶといと?」
「ふふっそうとも言いますね」


それから2人でちょっと笑って。
抱き締めていた師叔の身体を自分の正面に向け、おでことおでこをくっつけて。


「師叔のハナ。別にバカにしたわけじゃなくて低くて小さくて可愛いなっと思ったんです。たんぽぽみたいで」
「それは鼻と花をかけておるのかのう?」
「さぁ?」


それにハナ低いとキスしやすいんですよ。


ちゅ。


不意打ちでひとつ。
師叔は驚いた顔をして見上げていたが、しばらくして呆れ顔になり。
ながーい溜め息をついてからふわっと笑った。


ふわりふわりとまるで綿毛のよう。
軽く僕を包みこんで今度は唇に師叔から。



それからまた。
たんぽぽが笑った。


 

ふわふわふわ〜っと。
微妙に5月病かかりながら書きました・・・(笑)
これもつじあやの駄文。
ホント可愛い曲ですこれ・・・大好き。