つまりはソウイウコト。 朝からなんだかそわそわして、どうも落ち着かない。 何か、何か忘れてる気がするけど。 取り敢えずコーヒーでも煎れて。 まあ、そのうち思い出すだろう。多分。
「うぅ〜・・ん」 夕方になってもやっぱり思い出せなかった。 「お主、今日変だぞ?」 僕の隣で寝そべりながら、時々かまって欲しげに抱き付いてきていた師叔。 「朝から何か忘れているような気がして・・・・ずっと考えてるんですけど思い出せないんですよ」 「ふーん」 あら。そっけない返事。 「・・・・・新聞?」 「お主、今日新聞読んでなかったから、それが気になっておるのではないか?」 あ。 「・・・そういえば」 僕の朝食時の日課。 「でも師叔、何でそんなにすぐわかったんですか?」 僕は朝から考えて考えて、それでも思い出せなかったのに。 「お主だから?」 小首をかしげて、何故か疑問調。 「師叔〜v今日はやけに嬉しいこと言ってくれるんですね。そんなに機嫌いいんですか?」 ぎゅーっと抱き締めて、今の嬉しさを表現。 「昼に、コーヒー煎れてくれたであろう?」 「ええ、そろそろ飲みたい時間かなと思いまして」 「わしはいつもは砂糖2個なのに、どうして今日は3個だったのだ?」 「え!いけませんでした!?なんだかお疲れのように見えたんでいつもより糖分多く欲しいかなぁと思ったんですけど・・・」 どこの誰の砂糖数の好みと間違えてるの? 「あたり」 「え?」 「お主こそ、何でわかったのだ?今日は疲れてるとか、砂糖3個欲しいかったってこと」 何でと言われましても。 多分さっき同じコトを言われた時の師叔と一緒の表情、してるんだろうな。 機嫌のいいわけ、そういうことだったんですね。
「通じ合ってますね、僕たち」 「さすがわしら」 フフッと楽しげに笑い合い、顔を近づけてキスをする。 「このまま雪崩れ込んでも?」 「イヤだ」 「またまた師叔ってば、ちゃんとあなたの心伝わってきましたよ?」 「ほほぅ」 面白そうに、試すように。 「『ま、いっか』ってv」 「・・・・・・・あ〜・・・馬鹿馬鹿しい」
でもアタリ、でしょ?
以心伝心。 つまりは、ソウイウコト。 |
お互いだからわかること。
あなたでなければわからないこと。