そばに、来て。 君がいないと心もとない。 「師叔ー。テレビ見てないでちょっとは手伝ってくださいよ」 「手、切るからヤダ」 「別に包丁もたせようなんて思ってませんよ・・・もぅ」 とか何とかぶつぶついいながら。 楊ぜん曰く。 『だって、そのうほうが楽しいですし・・・・新婚さんみたいでvv』 きっとあやつの頭の中は、一年中春なのであろうな・・・。 だけどそれがいいのだ。 「のぅ〜楊ぜん。今日のメニューはなにかのう?」 これまた器用に、千切りにする手を止めず楊ぜんが振り向く。 「今日は師叔の好きなお豆腐ハンバーグですよvあと野菜炒め」 「野菜炒め・・・・・・のう、ピーマンはいれるなよ?」 「好き嫌いはいけませんよ師叔。食べなきゃお仕置きです♪」 「う゛ぅ〜!」 まったく。何でもかんでもお仕置きと言えばわしがおとなしくなると思って! 「もう少し、待っててくださいね。早く作っちゃいますから」 「んー」 キッチンに立つ、後ろ姿を。 「お、楊ぜん。このCMのコレ、確かお主が欲しがってたやつじゃろ?」 ・・・・・? 返事がない。 「楊ぜん?のぅ・・・」 あれ?いない。 「・・・・・ま、いっか。」 トイレか、他の部屋に何か用事でもあっていったのだろう。 ・・・・・・・・・・・。 遅い。 数分たっても楊ぜんは戻ってこなくて、わしはとりあえずキッチンにむかった。 「楊ぜんー?」 急に不安で胸がいっぱいになる。 けど、やっぱりいなくて。 「楊ぜん・・・・」 胸がざわめく。 まあ、誰かってゆうか・・・・だけど。 二人で暮らすようになってから、あの後ろ姿がないと安心できないのだ。 なんだか涙なんか、滲んできて。
ガチャッ。
「!」 「はぁ・・・失敗したなぁ。僕としたことがタマネギ買い忘れるなんて・・・って、わっ!」 「楊ぜん!!お主どこいっておったのだ!」 玄関でぶつぶつ独り言を漏らしている楊ぜんに、思い切り抱き付いた。 「え?いえ、あの・・・タマネギ買い忘れたのでちょと近所の八百屋さんに行ってたんですけど」 いきなりのわしの行動に、楊ぜんはおろおろしておる。 だって。・・・・絶対言ってやらないけど。 拗ねてしまったわしに、楊ぜんは困ったような溜め息をついて。 「もぅ・・・赤ちゃんですか、あなたは」 「は?」 いきなりの発言に、思わず顔をあげる。 「ほら、泣いてる。赤ちゃんって、母親がそばにいないと不安で泣いちゃうんですよ?」 「なっ・・・う、うるさいうるさい!目にゴミがはいっただけだ!」 それでも抱き締めた腕は離さないのだから、言葉に説得力はないのだけど。
「のぅ・・楊ぜん」 「はい?」
ココ、に楊ぜんがいる雰囲気。 あったかい体温。
「・・・・・・お主はお母さんみたいだのぅ」 「フフッ・・それは困りますね、恋人としては」
料理をつくる後ろ姿。 大好きな、お主。 夕暮れ時の・・・・出来事。 |
楊ぜんお母さんシリーズその2(シリーズだったのか)
師叔がまたもや赤ちゃん扱い〜;
母親のイメージといえばやはり料理をつくる後ろ姿かと。